こんにちは、深夜です。
普段はFDM方式の3Dプリンターで収納パーツや各種ケースなどを制作して楽しんでいますが、キーホルダーやアクセサリー、シリコン型取り用の高精細な原型(マスター)を作りたいという思いが高まり、この度ついに光造形(MSLA方式)3Dプリンター「ELEGOO Mars 4」を導入しました!
光造形機を選ぶにあたっては、様々なメーカーや上位機種と比較・検討を重ねました。今回は、購入時に比較した機種とその選定理由、そして記念すべきファーストプリント(初めて出力したヘビのフィギュア)のクオリティについて詳しくレビューしていきます!
光造形3Dプリンター導入の前提条件と求める要件
今回、新たに光造形機を導入するにあたり、重視した条件は以下の4点です。
- ミクロン単位のディテールや微細なテクスチャが綺麗に出ること(高解像度)
- 本体の初期費用およびランニングコストを抑えられること
- 初めての光造形でもトラブルが少なく、ユーザー数やコミュニティの情報量が多いこと
- 既存のFDM機(大型パーツや型枠用)と得意分野の役割分担ができること
大きめの型枠やケース類はFDM機で安く作り、高精度が求められるアクセサリーや原型のみを光造形機で出力するという住み分けを目指しました。
比較検討した主な候補機種と特徴
導入にあたり、ELEGOOシリーズの各モデルや競合他社機を比較検討しました。
ELEGOO Mars 4(標準モデル / 9K)【選定機】
方式:MSLA(モノクロLCD) / 解像度:9K(8520 × 4320) / XY解像度:約18×18μm / 造形サイズ:153.36 × 77.76 × 175 mm
2万円台半ば〜3万円台という手頃な価格帯でありながら、18ミクロンという超高精細な解像度を実現しているのが最大の特徴です。Wi-Fi転送などの付加機能を削ぎ落とし、純粋な出力精度とコストパフォーマンスに特化しています。
ELEGOO Mars 4 Ultra / Mars 5 Ultra
Mars 4 Ultraや最新のMars 5 Ultraは、自動レベリングやチルトリリース機構、Wi-Fi転送やAIカメラといった利便性機能を搭載しています。しかし、画面解像度自体は標準のMars 4と同じ9K(18μm)であり、印刷物そのものの見た目のクオリティに差はありません。
自動レベリングやWi-Fi機能のために価格が約2倍近く高くなるよりは、手動レベリングを許容して本体予算を抑え、浮いた予算(約2万円分)を二次硬化・洗浄機やレジン液、安全保護具などの周辺環境に投資する方が賢明だと判断しました。
ELEGOO Mars 4 DLP
プロジェクター投影方式(DLP)で光源寿命が約20,000時間と非常に長いモデルです。寿命のメリットはあるものの、本体価格が高めであること、XY解像度が約52μmとなり超微細な表現においては9K液晶のMars 4(18μm)が勝るため見送りました。
Anycubic Photon Mono 2 等(競合他社機)
👉 Anycubic Photon Mono 2 公式製品ページ
Anycubicのエントリー機も検討しましたが、ELEGOOシリーズはバット周りの扱いやすさ、スライサーソフト(ChituboxやVoxeldance)との相性、国内外のユーザー数の多さによるトラブルシューティングの容易さからELEGOOを選びました。
性能・スペック比較まとめ
購入検討時に整理したスペック比較は以下の通りです。
| 項目 | ELEGOO Mars 4(選定) | Mars 4 Ultra | Mars 5 Ultra | Mars 4 DLP | Photon Mono 2 |
|---|---|---|---|---|---|
| 露光方式 | MSLA(モノクロLCD) | MSLA(モノクロLCD) | MSLA(モノクロLCD) | DLP(プロジェクター) | MSLA(モノクロLCD) |
| 解像度 | 9K (8520×4320) | 9K (8520×4320) | 9K (8520×4320) | 2K (2560×1440) | 4K+ (4096×2560) |
| XY解像度 | 18μm | 18μm | 18μm | 約52μm | 約34μm |
| データ転送 | USBメモリ | Wi-Fi / USB | Wi-Fi / アプリ | USBメモリ | USBメモリ |
| 価格帯の目安 | 2.5万〜3万円台 | 4万円前後 | 4.5万〜5万円超 | 5万円台〜 | 2万円台〜 |
「ELEGOO Mars 4」を選んだ最終的な決め手
最終的にELEGOO Mars 4を選んだ決め手は、「同画質(9K/18μm)なら構造がシンプルで安価な標準機を選び、浮いた予算で後処理環境(二次硬化機・洗剤・保護具)を充実させる」という合理的な選択です。
手動レベリングも最初付属の用紙を使ってボルト2点を固定してしまえば、頻繁な調整は不要です。PCでスライスしてUSBメモリを挿す従来通りの運用で何の問題もなく快適に動作しています。
ファーストプリント!初めて生成した立体造形物のクオリティ
無事にセットアップを終え、記念すべきファーストプリントとして出力したのが、こちらの「ヘビのフィギュア」です!
Mars 4で出力したヘビのフィギュア。滑らかな曲線と繊細な造形が見事に再現されています。
頭部や体全体のグラデーション的な流線形も、目立つ積層痕なしで非常になめらかです。
身体の表面に施された細かなウロコ模様の網目テクスチャ。18ミクロン解像度の真価を発揮しています。
複雑にとぐろを巻いた形状も途切れや歪みなく高精度に出力できました。




プリント結果を見て感動しました!FDM機ではどうしても目立ってしまう積層痕がほとんど見当たらず、ヘビの身体全体を覆う微細な「ウロコの網目模様」までクッキリとシャープに再現されています。
18ミクロン(9K)の精細さは伊達ではなく、まさにアクセサリーや原型出力に求めていた通りのディテール表現力です。
💡 光造形3Dプリンターが気になっている方へ:導入前のまとめチェックリスト
これから光造形(MSLA)3Dプリンターの導入を検討している方向けに、今回の検証・購入で分かったポイントをまとめました!
- 造形クオリティ重視なら光造形が一極集中で圧倒的
FDM(熱溶解積層)機ではどれだけ設定を追い込んでも不可能な「微細な表面テクスチャ」や「積層痕のない滑らかさ」が手に入ります。フィギュア、アクセサリー、型取り原型を作るなら光造形一択です。 - 上位機種(Ultra系)との差は「画質」ではなく「付加機能」
Mars 4(標準機)とMars 4/5 Ultraの最大解像度は同じ「9K(18μm)」です。印刷物の見た目自体は変わらないため、Wi-Fi転送や自動レベリング機能に差額(約1.5万〜2万円)を払う価値があるかで選びましょう。 - 本体費用+約2万円の「後処理環境」の予算を見込んでおく
光造形は印刷後の「洗浄」と「二次硬化」が必須です。本体価格を抑えた分で、洗浄機・二次硬化機(Wash & Cure)、水洗いレジン、IPA、キムワイプ、手袋・マスクなどの周辺ツールを揃えるのが失敗しないコツです。 - FDM機と光造形機の「使い分け(役割分担)」が理想的
強度や大きさが求められる実用パーツ・ケース類はFDM機、精度と美観が求められる小型パーツ・原型は光造形機と使い分けることで、モノづくりの幅が格段に広がります。
まとめ
光造形3Dプリンター「ELEGOO Mars 4」を導入したことで、今までFDM機だけでは難しかった超高精細な造形の世界が一気に広がりました。
初期投資を抑えつつハイエンド級の解像度を手に入れ、後処理環境をしっかり整えるというアプローチは大正解でした。今後はこの高精細な出力を活かして、オリジナルのアクセサリーやモールド原型の制作にどんどん挑戦していきたいと思います!
それでは、また次回の試行錯誤ラボでお会いしましょう!


コメント